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みたけさいとう商店 by yuyu SAITO

「福島原発を理解する」 (バークレー大学での講演)

今月はじめにアメリカへ渡ったうずはち養蜂園の埋橋幸広氏からの情報。

以下ほぼ転送
バークレー大学でおこなわれた原子力や地震の研究をしている教授陣による「福島原発を理解する」という、今の現状と事実を正しく把握するという趣旨の講演にいってきました

大まかに私が把握した内容を書いておきます。もう皆知ってる内容かもしれませんが、一応専門家から直接聞いた現状とデータ等送ります。色んな情報が飛び交って食傷気味かもしれませんが、講演では的確な情報が発せられていたと思います。その他関連リンクを張っておきます。


ひどい事故にかわりは無いが(事故調査等最終決着に50年、、)、予想される最悪のシナリオ、メルトダウンによって原子炉、格納容器の破損に伴う、大量の放射性物質の広域拡散は避けられるそうです。 
理由→ 燃料棒のメルトダウンは起きているが、それが炉の底に溜って突き破り格納容器にも穴をあけ完全に外界に出てくる事は、いま原子炉停止中の温度からしてあり得ないとの事。大量の放射性物質は炉の中に閉じ込められていて、それが広域に拡散するには大爆発に伴う物理的運動によって上空高くに舞いあがらなないと起きない。この場合、核分裂反応中の燃料が、高温でコンクリート等に接触した時に大爆発が起こる。水素爆発のような化学爆発ではそこまでのエネルギーは無いと。
そして今は地震直後からの自動停止(制御棒:反応中の中性子をすべて吸収し反応を止める。ホウ酸等)によって新たな反応は起きないようになっている。隊員により直接原子炉につながるポンプからボロン(制御棒ににも含まれる中性子等を吸収する物質)を大量に混ぜた海水を送り込む事によって、万が一制御棒が損傷していてもさらなる核分裂を起こさないようにしている。
チェルノブイリ級の大事故になる要因は上記の理由で起こりえないとの事。

使用済み燃料プール
普段は燃料棒上辺から上7mくらいまで水が貯めてあり、プールサイドでは普段着でも活動ができるくらい放射線量は低い。水は温度を冷やすだけでなく、放射線を屈折等により吸収する作用がある。なんとか外部から放水しているのは燃料を冷やすと同時に、少しでも作業員が長時間近づけるように、線量を減らそうとしている。
外部電源がつながり、非常用冷却ポンプが回りさえしたら安心できるとの事。ただ、ポンプが壊れていない保証はないが、今の深刻な現状から解放されるためには絶対に必要なシステム。もしポンプが動かない場合はこのまま、外から放水し続けて、線量をさげながら近づき、最後はプールに直接放水という流れになる模様。またその場合今の状態での放水期間は1週間程度との事。
緊急事態の時の手順としては、原子炉の停止、次に原子炉、炉心を冷却する。今はこの緊急冷却システムに支障が出てこの外部からの放水となっている。ただ、あとはコンスタントに水を供給して冷やし続ける事が重要。上空を飛んだ様々な機体に付着している物質を測定したところ、変わらずヨウ素とセシウム以外は検出されておらず、プールの燃料が溶け出して新たな物質が漏れているデータはない。


周辺の汚染と線量
まだ誰にもわからないのは周辺の土壌汚染と、食品への影響だそうで慎重に見守り続ける必要があるとの事です。放射性物質は同心円上に広がり薄まるのではなく、気象条件によりかなりランダムに、スパイキー、ギザギザに濃度の高いところ、物質が溜まりやすいところがあるようです。それを見分けてゆくにはまだまだ時間がかかりそうです。濃度が高いところに必ずしも計測機があるわけではない。
放射性物質を取り込みやすい食品としては牛乳やキノコ等。外部から振りかぶった放射性物質は洗う事によってかなりの量が落ちるとの事。ただ、汚染された土壌や牧草から生産された作物や牛乳等は除去するのは困難なので食べないようにするしか無い。
外部被爆に対して人間は比較的、強く(私が思っていた以上にかなり)また、マスクやカッパ等で屋内への侵入も防げる。花粉対策と同様。
内部被爆を除去、洗浄するのは困難。ただ、今回のような低量被爆において、長期間にわたる臨床結果はなかなかわかりにくく、どの程度の割合で発ガンするのかはわかっていないとの事。 今の大阪の線量が一年間継続してあって、そこに滞在し続けた場合うける放射線量は肺のレントゲンを一回撮る量と同じ。

またアメリカ政府が発した80km圏内避難指示は、原発数基の燃料内のすべての物質が漏れ出た時のための距離で、今は炉の停止によりどう考えてもそのような事態は起こらないとの事。これにより不必要に日本国民を困惑させ政府を非難の対象とさせてしまったアメリカのアナウンスは専門家等から強く非難されているようです。


その他 メモ等

三号機かにあると言われるMOX燃料の危険視。ウラン?とプルトニウムの混合燃料であり、これは冷える速度が他の燃料よりも遅いから。
マグニチュード8.8から9.0へ。速報時の計器だけではなく、その後数カ所の計器を統合阪大した結果の訂正。
女川原発の安全。街は水没したが原発は15mの高台にあり地形的に津波を免れ、緊急停止、冷却システムが作動。
福島原発の津波の想定高は3m。
世界各国が空中核実験を行なっていた時代とチェルノブイリ事故があっときの任意の日本上空一定空間内の月間放射線量がほぼ同じ。 今回放出されている量はそれをかなり下回る。
年間100ミリシーベルト浴びて人体に何か影響が出たという臨床結果はない。これが一応の被爆上限とされている。
メルトダウンは人によってどのような状態を指すか違っている。燃料棒だけか、原子炉を破壊し外部に出てくる事等々。
ストロンチウム90は土壌に残留しやすい。まだ検出はされていないか。

以下提供されたリンク集

デマに惑わされず、適切に判断するための科学情報」を、以下のページで発信しています。参考にしていただけると幸いです。
デマに惑わされず、適切に判断するための科学情報

橋本さんより:
福島原発の放射能を理解する
Transcripts of Press Briefings on Fukushima by UCS Technical Experts

by yuskaupstaourr | 2011-03-21 09:37 | 記録 | Comments(0)